サステナビリティ経営とは?

近年、サステナビリティ経営への関心が高まってきています。 サステナビリティ経営とは、「社会の持続可能性に配慮した経営」のことを指し示し、これまでも大企業を中心に取り組まれていたCSR (Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)だけでなく、SDGsの3つの軸であるESG (E:環境、S:社会、G:経済(ガバナンス))を取り込み、あらゆる方面での持続可能性を追求した経営を行うことが求められています。

三方良し-日本企業とサステナビリティ経営の親和性

古来より日本の商人道において「三方良し」という経営哲学が存在しています。高島屋や伊藤忠商事、住友財閥など日本を代表する企業のルーツとして近江商人が大事にしてきた「売り手良し、買い手良し、世間良し」という考え方がこれにあたります。
近江商人の「三方良し」のひとつに「世間良し」という考え方がある。事業を行うにあたって、その目的が社会にとって良きものであること。すなわち、社会の発展に寄与するものでなければならない。
企業をはじめとするあらゆる組織が社会の一機関であり、組織がそれ自体のためだけでなく、社会、コミュニティ、個人のニーズを満たすために社会的な目的を実現すること。

社会の中に「生きもの」のように生き続けること。これこそが近年注目されている「サステナビリティ経営」につながる日本の商人道といえるでしょう。

出典:「近江商人の十訓」末永國紀 近江商人学入門 CSRの源流「三方よし」

金融業界における大きな波

ESG投資・ESG金融という言葉を聞いたことがあるかと思います。 持続可能な開発目標(SDGs)は、経済の持続的成長と安定的な資産形成を目指す金融業界の目標にも合致するものであり、近年取り組みが加速されています。

▶ 責任投資原則(PRI)に年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が署名

2015年9月、持続可能な開発目標(SDGs)の採択と同時期、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は国連の支持する責任投資原則(PRI)への署名を行いました。 PRIでは、機関投資家の意思決定プロセスにおいて、環境・社会・経済(ガバナンス)のESG課題を反映させるべきとした世界共通のガイドラインである。法的な拘束力はないものの、長期的な視点に立ち最大限の投資利益を追及するうえで、ESGが運用ポートフォリオに影響を及ぼすことが機関投資家たちの間で認識されつつあり、世界で2,600以上の機関投資家がPRIに署名しています。事実、日本のESG投資資本率は3.4%(2016年)から18.3%(2018年)と増加しており、全世界では約31兆ドルにも上る。

出典:世界全体の ESG 投資残高は 31 兆ドルに (大和総研)

▶ 地域金融機関による「共通価値の創造」

地域金融機関は金融庁と地域企業との橋渡しとして、金融機関の将来にわたる健全性の確保と地域企業の生産性向上・地域経済の発展へと貢献している。長期化する低金利環境の中、持続可能なビジネスモデルの構築を顧客である企業と共に、安定した経営基盤を確保する取り組み「共通価値の創造」を行っている。 全国銀行協会においても2018年3月、SDGsやESG投資の重要性を踏まえ「行動憲章」を改訂し、SDGs推進体制を整えている。

出典:SHIGA BANK REPORT 2019 第7次中期経営計画

教育業界の変革

持続可能な開発目標(SDGs)の採択に先んじて、教育業界へは持続可能な開発のための教育 ESD (Education for Sustainable Development) への取り組みが広がっている。ESDとは、世界が掲げる環境・貧困・人権・平和といった地球規模の課題を解決すべく、持続可能な社会づくりの担い手を育む教育のことである。

▶ ESDで育みたい力

出典:文部科学省「今日よりいいアースへの学び」

 

  • 持続可能な開発に関する価値観
    (人間の尊重、多様性の尊重、非排他的、機会均等、環境の尊重など)
  • 体系的な思考力
    (問題や現象の背景の理解、多面的かつ総合的なものの見方)
  • 代替案の思考力 (批判力)
  • データや情報の分析能力
  • コミュニケーション能力
  • リーダーシップの向上

ESDは2002年の第57回国連総会で採択され、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)が主導機関となり世界中で取り組まれ、2015年のSDGs採択を受け、ESDが17すべての目標達成のカギであることが再確認された。
社会課題を捉え解決へ導くと共に、AIやブロックチェーンなどに代表されるDX(デジタルトランスフォーメーション)時代を担う次世代を社会全体で育てる仕組み創りが進められている。

サステナビリティ経営に求められること

自社の利益「のみ」を追求するのではなく、社会課題への関りや、環境問題への配慮といった事業を取り巻くあらゆる方面に対する持続可能性を持つ「サステナビリティ経営」。具体的な項目として以下の5つに集約しました。 なお弊社では、これらのサステナビリティ経営に影響を与える項目について、自社の現状を把握できる診断ツールを無料で提供しています。サステナビリティ経営への取り組みを行うにあたって、現在地を把握するためご活用ください。

▶ 組織体質

組織体制や企業統治(ガバナンス)とも言われるが、この企業体質こそが持続可能性の根幹と言っても過言ではない。 コンプライアンス遵守は当然のこと、現在地を正確に把握し、将来ビジョンを見据えてどのように舵を切るか、変化に対応できるか、ステークホルダーに対し真摯に対応できるか、働きたい/働き続けたいと思えるかなど、すべてに企業体質は大きく影響する。

▶ 経済性

すべての項目を網羅した上で利益を出すこと。社会に認められる事業を行い、その対価として利益を享受すること。また、いついかなる状況であっても利益が出る企業であること。

▶ 社会的インパクト

社会課題に直結する事業を行う場合は言うまでもないが、この社会課題と自社とのつながりをどのように捉えているかは事業の方向性を定める上で重要なファクターとなる。また、地域社会に根付く中小企業では特に地域社会とのかかわりをもち、その地域特有の課題に向き合うことも求められる。

▶ 環境的インパクト

今や環境問題は危機的状況になってきている。 資源の枯渇はもちろんのこと、排出される温室効果ガスや大気汚染、海洋汚染、森林破壊など30年以上前から先送りにされ続けてきた問題を無視して持続可能とは言えない。また、これによる社会やステークホルダーの変化は事業計画策定における重要項目となり得る。

▶ テクノロジーへの対応

日本政府はSDGs達成に向けた重要項目としてSociety 5.0を掲げている。また、社会課題の解決と経済成長の両立に向けて科学技術イノベーション(STI)が欠かせないとしている。ポストコロナ社会への対応としても人口減少を中心とする地域の社会問題への対応としても企業のIT化は持続可能性に大きく影響を与える。

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